【人生最高のインプロ】失顔症って知ってますか?失顔症の私がやらかした話
こんにちは、黄乱弾(ファン・ランダム)です。
今日は、私が人の顔を覚えるのがすごく苦手という話をしていきたいと思います。
医学的には「相貌失認」、俗語では「失顔症」とか「顔盲」とか呼ばれるようですが、同じような悩みを持つ人をあまり見たことがないので、珍しい性質なんだと思います。
この悩みを持たない人にはこれがどういう感じか想像しにくいと思うのですが、
例えば、皆さん、犬で、チワワとゴールデンレトリバーの違いは分かっても、
同じ毛色、同じサイズのチワワを、
自分のペットでもないのに見分けられるって人は少ないんじゃないかと思います。
このような個体識別能力の欠如が、私の場合、犬だけじゃなくて、人間にも当てはまります。
人種や性別が違ったり、身長が大きく違えばさすがに見分けられるんですが、
髪型とかメガネとか顔全体の雰囲気とかが似てると、同じに見えてしまうんです。
それでも、私の場合はそれほど重症ではないので、
顔以外の手がかり(文脈とか、声とか服装とか仕草とか)を駆使して、
何とか大きな問題を起こさずに生きてこられたのですが、
これまで2回だけ「やらかしちまった」時があります。
1回目は大学の食堂で。
大学入学一ヶ月目の時。
私のような根暗は、大学デビューできるわけもなく、
当然ぼっちだったので、食堂で一人でご飯を食べてたんです。
そしたら、突然、見たことのない若い男に声をかけられたんです。
「◯◯さん、僕です。石田です。学祭のことで話があって、ちょっとお時間いいですか。」
もうこれは、完全に宗教の勧誘だ、とピンときました。
新入生オリエンテーションで注意喚起もありましたし。
しかも、相手は私の名前を知っている!
そうだ、オリエンテーションで、カルトは友達のいない寂しそうな人間を狙うと言っていた!
こいつらに私の名前までバレている。やばい。
でも急に逃げ出したら逆に追ってきそうなので、
「私はあなたのことを知りません。石田という知り合いもいません。人違いです。すみません。」というと
「僕です。同じクラスの石田ですよ。」って引き下がらないんです。
これは本当にやばいと思ったので、知らないの一点張りで、振り切って逃げました。
そんで、「ふぅ、危ないところだった」と思って、
午後の授業に行って、授業冒頭の出席確認で一息ついた時。
中国語の先生が、「シーテン(Shi Tian)」と呼んだ学生を見たら、
「ダオ(dao)」とか言って、さっきの若い男が返事してるんです。
あ、 こいつ、本当にクラスメイトだったんだ。
そう言われれば、あんな顔の「シーテン」ってクラスメイトいたな。
クラスのイベント何一つ行ってないから、日本語名「石田」って知らんかったわ。
中国語のクラスメイトなんだから、名乗るなら、中国語読みで名乗れよ、と思いました。
ちなみに、中国語を学ぶにつれて発音と漢字が結びついてきて、
クラスメイトの日本語名も発音から大体想像できるようになったのですが、
そのシーテン事件の後、クラスメイトに声をかけられることは一切なかったので、
何の役にも立ちませんでした。
もう一回は、近所のスーパーマーケットでのことです。
レジで会計終わって、袋詰めしようと思って袋詰め台のところへ行ったら、
おっさんに「あ、久しぶりですね。」と声をかけられました。
そんで、突然だし、誰か分からなくてちょっと焦ったのですが、
おそらく職場の違う部署のあの人だろうと心当たりがあったので、
「あ、本当、久しぶりですねー。」とか言って会話に乗ったんです。
そんで、しばらく会話を続けると、話が噛み合わないんですね。
出てくる登場人物の名前、知らないし、
相手は医療関係者(私は違う)っぽいし、
「あれ、なんかこれおかしいぞ」って気づき始めました。
そんで、同じタイミングくらいで、お互い、
「あれ、もしかしてこいつも顔盲か!」と確信したんですが、
話し始めた以上、途中で急に切るわけにもいかないし
お互い袋詰めもまだ終わってないし、
「進むも地獄、退くも地獄」の状況に追い詰められたんですね。
そこで、このやらかした顔盲の二人がとった行動は、
会話は、天気とか近所の工事の話題とか、
誰でも続けられるすごい薄い内容にフェードアウトしつつ、
袋詰めの速度を倍速にする、という方法でした。
そして、何とか会話も破綻させることなく袋詰めを高速で終了したら、
安堵感からか、一緒に窮地を乗り切った仲間みたいな一体感が出て、
なぜか袋詰め台でさよならせずに、
スーパーのドアのところまで一緒に行って、
「じゃ、また」とか何とか言いながら、別れました。
あれは、今考えても、人生最高のインプロ(即興)だったと思います。
ちなみに、そのおっさんとは、二度とスーパーで会うことはありませんでした。
そもそも、どっちも顔盲なので、会ってたとしてもお互いを認識できなかったと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【執筆者紹介:黄乱弾(ファン・ランダム)】
Badass Blue Bird LLCの専属ライターで、担当分野は他のライターがやらないランダムなこと、です。日本育ちなので、中国語は勉強中。お世辞にも全くうまくありません。ちなみに今仮採用期間中で、皆さんの反応次第で、本採用されます。応援よろしくお願いします。

