【否定証拠>>>肯定証拠】間違いを防ぐために、間違いを見せることが有効です。それは言語教育も歴史教育も一緒でしょう。
こんにちは、飲むチョムスキーです。
言語教育の世界には、肯定証拠と否定証拠って概念があるんですね。
例えば、英語の過去形を教える時。
Touch -> touched
Turn -> turned
Share -> Shared
のように代表的な正しい例を出して、
英語の動詞の過去形は語尾にedをつけて作るんだよ、
って教えるんですが、そうすると、子供が「よしよし、分かった」ってなって
Come -> Comed (正しくはcame)
Go -> goed (正しくはwent)
ってしちゃう子が必ず出てくるんですね。
だからこういうのを防ぐために、最初から、間違い例を示して
Come -> ✖️comed
Go -> ✖️goed
っていうのは「やっちゃいけない典型的なミスです」と。
正しくは came, went ですよって教えるんです。
この場合のcome -> came, go ->went っていうのが肯定証拠で、
Comed, goedっていうのが否定証拠です。
正しい例だけを提示してもいいんですが、
先生がわざわざ間違いを提示して「これだけはやっちゃダメ」だよって先に言うことで、
子供に印象付けて、そう言う間違いが実際に起きるのを防ぐことができるんですね。
Come, goの例だけなら、間違ってもネイティブは
「ああ、この人英語初心者なんだな」って察してくれますが、
文法的な間違いでなくて、語用論的な間違いになると、
人間関係にヒビが入ったりします。
例えば、英語では”Why did you ~? “って聞くと、直接的すぎて
「なんで〜したの?」って責めてるニュアンスが出ちゃうので、
“What made you …. ?“ と置き換える方が、
同じ理由を聞く意図でも、無難です。
✖️Why do you study Japanese?
◎What made you study Japanese?
これ、私の中学の英語の先生が、Whyっていう単語を導入するときに、
チラッと言ってくれたんですね。
「Why って聞くと相手の気分を害するよ。
代わりにWhat made you… を使った方がいいよ」って。
公立学校の中1の英語の授業なんで、
そんな語用論的な部分までカバーする必要はなかったと思うんですが、
この先生は肯定証拠だけでなく、否定証拠までなぜか教えてくれたんです。
それが心に残ってて、”Why did you ~? “と聞きたくなる場面でも、
“What made you …?”という相手の気分を害さない言い回しを使えるんですね。
そういうふうに否定証拠ってのは、
「これはやってはいけない間違いです」っていうのを先に示してくれるので、
結構心に残りやすくて、実際の間違いを避けられるんですね。
で!
ここからが本題なんですが、
原爆の悲惨さ、展示法模索 「子どもが見ない選択」導入へ―被爆者ら反発も・広島資料館
これね、気持ちは分かりますよ。
自分の子供がせっかく学校行事から帰ってきたのに、
原爆の展示のせいで、元気がなかったり、食欲落ちてたり、
トラウマ反応が出てたらね、かわいい子供のことですから
親として心配になる気持ちは分かります。
どうしてせっかくの楽しい修学旅行や遠足で、
こんな怖い目に子供をあわせなきゃいけないの、
って気持ちも分かります。
で、も、ね、
考えてみてくださいよ。
絵をみたり、話を聞いたりの二次体験でトラウマレベルなら、
実際にそれを体験したらどんだけ地獄か。
そんで、これは作り話じゃないんです。
私たちのジィちゃん、バァちゃんの世代、
ほんの2、3世代上の世代が実際に体験した地獄なんです。
その地獄を二度と私たちのかわいい子供が体験しなくていいように
大人が責任を持って、子供に語り継がなきゃいけないんじゃないですか。
それが大人の責任ってもんでしょうが。
「トラウマになるから、子供に選んでもらおう」って言ったらね、
もちろん子供は「そんなに怖いんなら見ないでおこう」ってなりますよね。
面白いもんでもないし、辛気臭い戦争の話、
わざわざトラウマになるかもしれないもん見に行こうっていう
殊勝な子供が、どこにいますか?
クラスのみんなが見ない時に、
「いや、これは大人が犯した繰り返してはいけない人類の過ちですから、
僕は子供ですが、トラウマになってでも拝見いたします。」って言い切って
自分だけ見にいける出来杉くんみたいな子供、いるんですか。
いたら若干キモいですよね。
あのね、こんな大事なことまで子供の選択に任せるんだったら、
いっそ義務教育自体、やめちゃえばいいんじゃないの?
算数だって、国語だって、勉強すればつまづくこともあるかもしれないし、
自分よりも賢い子がいるかもしれないし、
そしたら傷つくかもしれないし、自信無くしちゃうかもしれないし、
学校行かずに、
お外で自由に遊んでた方がよっぽど楽で、楽しくて、傷つかないんだから。
子供のトラウマが心配?せっかくの修学旅行なのに可哀想?
残酷な歴史を学ぶことから子供を遠ざけてれば、
子供が幸せで平和な世の中で生きていけるなら、
私だっていくらでもそうします。
でも、そうならないから、言ってるんでしょう。
現実に、我が国のボンボン防衛大臣が懲りもせずに、
核兵器を次の世代に受け継ぎたいって言ってるんですから。
大人の責任ってもの、ちゃんと考えましょう。
我々の犯した間違いを、
我々のかわいい子供が二度と経験しないでいいように、
「やってはいけない間違いとはどんなことか」を、ちゃんと伝えていく。
それが次の世代にバトンタッチする我々が最大限できることであり、
最低限果たすべき責任です。


